男が女に言われて困る3の質問 −その傾向と対策−
Q1. どうしてわかってくれないの？
お前は俺を超能力者だと思ってるのか？ と思わず言ってしまいそうになるが、そこは我慢のしどころだ。
男と違って、女は共感する能力が高いと一般には言われている。
私はその見解には賛成しかねる。たしかに女が感情移入をしやすい傾向の強い生き物であることは認めるが、その感情移入はたいがいひとりよがりだ。実際に対象の感情がどうであるかは別にして、本人が信じたいものを強烈に信じる。共感しているつもりなだけで、共感していると思い込むのが得意なのだ。
女同士にありがちな脈絡のない会話を聞いていれば、共感なんてものはうわべだけで、実際には自分の言いたいことばかりをしゃべっていることがわかる。
そんな女たちは、自分が理解している（と思っている）程度に、自分もパートナーから理解されているという幻想を持っているようだ。なので、その幻想が現実に打ち砕かれると、超能力者にするような質問を発する。
あなたはわかってくれていると思っていたのに。
どうしてわかってくれないの？
と。
わからないものをわかったフリをするのは無理だ。嘘はすぐにバレる。
正直な答えは「わかるわけがない」なのだが、それでは身もふたもない。
男は、この難問にどう答えるべきか。
-----
違う人間なんだから、わからないこともある。
でもその溝を埋めるために、言葉という道具があるんだ。だから、もっとたくさん話そう。君の事をもっと理解したいから。
-----
これがギリギリの線だろうか。
ついうっかり「バカじゃねーの？ わかるわけねーじゃん、他人なんだから」と言ってしまわないために、かなりの自制が必要なのは間違いない。
Q2.私のどこが好き？
全部だよ、というのが正直なところではないだろうか。
いや、全部というのは言いすぎか。でも、好きなところがたくさんあるから、いくつか嫌いなところがあってもトータルとして好き、という場合がほとんどではないだろうか。
それを、改めてどこが好きかと聞いてくる。
確認したいのだろうが、そんなふうに一言で簡単に答えられるほど単純な人間は、どこにもいないはずである。逆に言えば、一言では言い表せられない深みがあるからこそ、人付き合いは楽しいのだ。
なのに、無理やり答えを言わなければならない。
まったく、女ってやつは実に面倒くさい生き物である。
しかも。
外見を整えるために並々ならぬ労力をかけることの多い女という生き物は、外見を褒めないとヘソを曲げる。そのくせ、外見だけ褒めると、「それだけ？」みたいなことを言う。じゃあ全部でいいじゃねーか、と思うのだが、「全部」みたいなもやっとした答えでは納得せず、もっと具体的に言えという。
さて。
この問いによって男に突きつけられているのは、普段からの観察力と気遣い能力の有無である。
普段から相手のことを観察して、何に喜ぶのか、何を求めているのかをしっかりと把握していなければならない。パートナーの個性によって、さまざまな形の正解があるのだから。
何も言わず、ただ強く抱きしめる。
これは、何事にも自信がなく、自分に愛されるなんて幸運が訪れるはずがない、という思いにとりつかれている悲観的な人には、とても効果的がある。
パートナーが常々自分の欠点だと気にしているポイントが好きだ、と答える。
たとえば、二の腕のぷよぷよしたところとか。「せっかちで慌て者」を「活動的」、「気が強くてわがまま」を「意志が強くてまっすぐ」と言い換えてみたり。
言葉遊びのように聞こえるかもしれないが、本人が欠点だと思っていることを長所として評価することは、人生をポジティブにしていく効果があると思う。
Q3.仕事と私のどっちが大事なの？
実際問題として、仕事よりもパートナーを優先させられるときもあれば、パートナーと共に過ごす時間よりも仕事に取り組む時間を優先させなければならないときもある。
仕事とパートナーの関係は、カレーライスとラーメンのようなものだ。
どっちも好き。でも同時に両方食べるのは難しい。だから状況に応じてどちらかを選ばなければならない。
いまいちピンとこない？ ラーメンは好きじゃない？ そんな人には、こういう表現が合うかもしれない。仕事とパートナーの関係は、食事と睡眠の関係と同じだ。両方とも大切だが、同時にはできない。
この状況をふまえて、問いに正直に答えると、こうなる。
「仕事と私のどっちが大事なの？」
「どっちも大事だよ。でも今回は仕事を選ばなくちゃ」
ところが、それでは納得してくれないのが女という生き物である。ウソでもいいから「君のほうが大切だ」と言って欲しいのかもしれないが、そんなところで相手のご機嫌をうかがってウソをつくと、あとで自分の首をしめることになる。お互いウソだと承知の上だったはずの言葉を取り上げられて、「私のほうが大事って言ったじゃない、ウソつき！」などとキレられたりもする。
まったくもって、女ってやつはけしからんほど面倒くさい生き物だ。
さて。
この厄介な問いに対して、ウソもつかず、しかし相手にも納得してもらえるような答えを言わなければならない。
そこで、私は以下のような答えをお勧めしたい。
-----
実は、仕事や君よりも、もっと大事なものがあるんだ。
布団。しかも、干してふっかふかになったやつ。仕事をがんばって疲れた体で布団にもぐりこむのはすごく気持ちいい。そして、その布団の中で君のぬくもりを感じられると、最高だよ。
-----
この答えに対して、「布団だなんてふざけてるの！？ きーっ！」となるようなシャレの通じない女とは、即座に別れたほうが良い。と、思う。
以上。
偉そうに書いたが、私はそれほど経験豊富ではない。
実際に使ったときの効果は保証しないので、ご利用は計画的に。自己責任でよろしく。
滝澤（2012/10/06）
このページの作品に対するご意見・ご感想などは、E-Mail : maniactaki＠gmail.comまでお願いいたします。
※スパム対策のために「＠」を全角にして掲載しています。半角に直してお送りください。