【む】「ムダ」と「無料」と
選挙である。
大方の予想通り、民主党が勝って自民党は野党になるだろう。
それから後は？
過去に同じようなことがあった。過去の実績は、自民党を野党の立場に追いやった連立政権は、何もなしえないまま、再び与党の座を自民党に譲った。
今回も、同様の結果になるだろう。
増税せずに、ムダをなくして社会保障にあてる、というスローガンは耳に快い。しかし、ムダはなくせないだろう。なぜなら、そのムダを食い物にしている人間が、政治家にも利権のおすそ分けをしているのだから。
ムダは、ムダではないのだ。
今ムダと呼ばれているのは、一部の特権階級の利権であり、その利権のために多くの官僚と政治家のが動いている事実は変わらないのである。
大衆を食い物にして自らが肥え太ることを優先させている連中は、いつか自分たちの「食い物」が疲弊して、食べられる場所がなくなってしまっていることに気付くだろう。しかし、その段階になったら、彼らは大衆を捨てて別の食い物を探すだけである。
こうして、カースト制度にも似た身分差は容易に解消できないまま、愚かな有権者たちはその時々で「耳に快いスローガン」をふりかざす政党に投票し、自らが選んだ政治家の愚行に付き合わされて、どんどん疲弊していくだろう。
ムダなのは、政治家という存在そのものなのではないだろうか。
さて。
私のメールアドレスに、ちょくちょくスパムメールが届く。「無料の出会い」というものが多い。
これまでは読まずに捨てていのだが、今回の【む】のネタにするために、引っかかってみることにした。まず、Yahoo!で無料のメールアドレスを取得し、スパムで紹介されていたURLにアクセスして、メールアドレスを登録してみる。
とりあえず、メル友募集ということで掲示板に書き込んでみる。
すぐに反応があった。
「おはようございます、●●と言います。既婚者ですが刺激を求めてメールしました。楽しい出会いになればと思ってます。お返事下さいね♪」
返信すると、しばらくしてまたメッセージが届く。
「メールありがとうございます。毎日家事ばかりでつまらなかったのでこうしてメールできるだけでも新鮮です。仲良くして下さいね。」
しばらく、メッセージのやりとりを続けてみる。
「簡単に自己紹介します♪●●、34歳のA型です。性格はちょっと几帳面な所もありますけど、基本明るいと思います。笑うことが好きです。家庭があるのでまずはメールからお願いしますね♪気が合えば会いたいです。」
「こんにちは。先日布団たたきが折れてしまったので、これから買いに出かけるところです。そんなに力をいれてたわけではないんですが、日頃の家事仕事で筋力がついたんでしょうかね？（笑）」
「こんにちは！フタのしていないマヨネーズを踏んでしまって、床に勢いよくぶちまけてしまいました…片付けるのが大変そうです(汗) 」
この間、私が投げた問いかけには一切反応がなく、自分から情報を発信するばかり。あきらかに、自動的に反応しているロボットっぽい。
ためしに、別の無料メールアドレスを取得して、同じサイトに登録してみた。さらに、同じように掲示板に書き込みすると……。
「おはようございます、●●と言います。既婚者ですが刺激を求めてメールしました。楽しい出会いになればと思ってます。お返事下さいね♪」
来た。一言一句変わらないメッセージ。
せっかくなので、丁寧に返信してあげた。
「別のメールアドレスで登録して同じ内容のメッセージをあなたから受信した者ですが、そうやって同じメッセージを送ることで、あなたにはどんな利益があるのですか？」
それから一週間が経過したが、メッセージは一切届かない。
完全なロボットではなく、いちおうなんらかの人為的な判断を経ているらしい。
政治家の言う「ムダをなくす」と、出会い系サイトの言う「無料の出会い」は、同一なのだろう。集客のための、聞こえのいいスローガンというだけである。
皆さんも、インチキ政治家やインチキ出会い系に騙されないよう、気をつけていただきたい。
滝澤（2009/08/23）
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