『37歳の辞』
誕生日を迎え、毎年恒例の誕生日ネタで書こうとしてびっくり。2007年は36歳の誕生日の時に書いたものを含めて2編しか書いていなかったのである。昨年の抱負としていた長編小説も、結局書き上げることはできなかった。
仕事の多忙を言い訳に、少々さぼっていたと言われても仕方がない体たらくである。
まったく、情けない。
大学生の頃に、「成長するということは認識の領域が広がることなのだ」と思ったことがある。が、実際に歳を重ねて思うのは、成長したと言えるほど認識の領域が広がっているとはとても思えない、ということだ。
仕事で文章を書いているせいもあって、個人的に書く量が減っているし、たいして成長もしていない。そんな自分が正直許せない。
とは言え、最近はこんなことも考えるようになった。
「大人になるということは許せるようになることなのだ」
ろくでもない世界を許し、ろくでもない他人を許し、そして何よりもろくでもない自分自身を許す。他人を憎む自分を許し、自分を憎む他人を許し、自分に無関心な世界を許す。
そんなふうになれたら、きっと、ずいぶんと生きやすくなるに違いない。
今年は「許し」をテーマにした小説を書こう、と思う。
結局のところ、私はなかなか自分も他人も許すことはできないわけだが、作品の中でだけは、許すことのできる人間を描きたい。
つまらない代償行為かもしれないが、そんなつまらない自分自身をも許せる、そんな人間になれればと願ってやまない。
滝澤（2008/01/30）
このページの作品に対するご意見・ご感想などは、E-Mail : maniactaki＠gmail.comまでお願いいたします。
※スパム対策のために「＠」を全角にして掲載しています。半角に直してお送りください。