『書くこと』
最近は、書くスピードが落ちていて、なかなか作品が完成しない。
仕事で文章を書く機会が多くて、プライベートの時間まで書いていたくない、という心理がはたらいているのかもしれない。ああ、このネタを書かなきゃ、と思ったことを忘れてしまうスピードが速くなっているのかもしれない。
いろいろ理由は考えられるのだが、実際のところ、モノを見なくなっているのが大きいような気がする。
以前は、外を歩いていても、周囲の物事を見て、あれやこれや考えていた。考えた結果としてモノを書くという行為があったわけだが、どうも最近はそのサイクルがうまくはたらいていないようだ。
最近は、何も見ないで、ただ頭の中にあるモノばかりを考えている。
自家中毒におちいっていて、何も書くことができない。
さて。
今、なぜそのような状況におちいっているのか、考えてみた。
最後に書きあげた作品『恋するエレベータ』の完成は、2004年の初夏。それから私の生活の中で何が変化したのかと考えると、応えは明白だった。
2004年6月末に退職をした私は、しばらく無職生活を送った。新たに働き始めた会社は、社員同士の会話もなく、インスピレーションを刺激されるチャンスが減った。慣れない初めての仕事ということもあって、私自身も余裕がなくなっていた。
おそらく、そういったもろもろの要素が総合的に作用して、今の書けない状況が生じている。
こと「執筆」ということに関して言えば、私の転職は明らかに失敗だった。
新しい仕事は面白い。未経験の仕事内容だからこそ、非常に面白い。しかし、書くことができなくなるのは、つらい。私の人生の大半は、書くことによって構築されている。書くことと、それに付随する「見ること」や「考えること」によって構築されているのだ。
どこかでリハビリをしなければ、まったく書けなくなりそうでこわい。
そのためには、私自身のありかたに関して、大規模な改革をしなければならないのかもしれない。
最近は政治のほうで改革だなんだと忙しいようだが、たかが数集めゲームをしている政治屋どものインチキ改革なんぞとは比較にならない。私の人生の改革には、私の人生そのものが賭けられているのだ。
しばらく、私はもっと自分と向き合っていこう。
滝澤（2005/08/21）
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