『八兵衛で行こう！』
イラクの占領軍による捕虜虐待があったとかで、騒ぎになっている。
くだらんことで騒ぐな、と言いたい。
殺人に対する刑罰は死刑があるが、虐待に対する刑罰で死刑になることはないはずだ。外患誘致のような罪は別にして、殺人以上の罪があるなら、教えて欲しいものだ。
戦争が普通の精神状態では絶対にできないのは、自明のことである。
なにしろ、人を殺さなければならないのだから。
人を殺せる精神状態ならば、その他にいくらでも他人に対して悪いことができるはずだ。だからこそ、戦争が発生した時点で、無抵抗の人間を殺したり、投降した人間を虐待したり、などということは不可避だった。私は、そう思っている。
もしも一般的に、戦争は許容できるが虐待は許容できない、というような感覚があるとしたら、私はそれに含まれる矛盾を感じずにはいられない。
人が人を傷つけることは、傷の大小を問わず、すべて等しく犯罪的だ。
そして、いわゆる「普通の人」を、犯罪的な行為ができるような精神状態に追い込んだ人間たちにこそ、責任がある。
いったい、何が人を自爆テロに駆り立てるのだろうか。
自分の命を失ってまでして、破壊したいものとは何なのだろうか。
いったい、何が人を殺し合いに駆り立てるのだろうか。
理性を失ってまでして、攻撃したい相手とは何なのだろうか。
この疑問が解決されない限り、いつまでも「問題」は続くだろう。
肝心のポイントには目をつぶり、枝葉の話ばかりで騒ぎ立てるのは、おかしい。
もちろん、虐待された人間が、その事実を公表する動きは悪いことではない。が、虐待の発覚によってアメリカの正義がゆらいでいる、といった論調は、ナンセンスだ。
戦争の最初から、正義などなかった。
あったのは、経済論理だけ。
だからこそ、心底、今さらくだらんことで騒ぐな、と言いたい。
そうそう。
くだらんことで騒ぐな、と言えば、最近の年金未納の話題も、騒ぐ価値がない。
私個人の周囲を見回してみても、払っていない人間は山のようにいる。その比率から考えれば、政治家で払っていない人間が多くいたところで、驚くにはあたらない。
しょせん、政治屋はみんな金目当てで仕事をしているわけで、金にならないと思えば手を出さない。そんなことは当たり前だ。今さら騒ぐほどのことではない。
しかし、ふと思う。
義務と権利、という考え方がある。
義務を果たした者には権利が与えられる。もしくは、権利を得るには、義務を果たす必要がある。
この考え方からすれば、国民年金の支払いが義務化された段階で、支払っていない人間は国民としての義務を果たしていない、ということになる。すなわち、もろもろの社会サービスを受ける権利はおろか、参政権さえないはずだ、と思うのだが。
少し前に、どこぞの国会議員が「反日」発言をして話題になったが、義務を果たさないで政治屋をやってる連中のほうがよっぽど「反日」だと私は思ってしまうのだが、いかがだろうか。
まあ、ちょっとしたタイミングで選挙権が消えてしまうような世の中だから、ちょっとしたタイミングでついうっかり反日分子になってしまうのも、アリなのだろう。
いっそ、そういう「うっかり反日分子」には、ついうっかり外患誘致の罪でも犯してもらって、死刑になって欲しいものだ。
案外、「ついうっかりなんです」と弁明すれば、死刑を免除してもらえるかもしれない。
そんなステキなうっかり反日分子さんたちには、「うっかり八兵衛」の称号を差し上げよう。
滝澤（2004/05/13）
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