『反対運動反対』
私は、反対運動というものが嫌いだ。
私の住んでいる場所の近くで、新しく高層マンションが建つことになった。すると、必ず出てくるのが、反対運動をやる人たち。これが、見ていて、とても腹が立つ。
あれこれ経緯を説明しているが、そんなものはどうでもいい。
建設者側は、もともととても狭かった歩道を、敷地の一部を提供して拡張するという。渋滞をおこす車道にも、敷地の一部を提供して左折レーンを増設するという。いいことばかりじゃないか。
工事中はうるさいかもしれない、建築後は日当たりが悪くなるかもしれない。でも、私はそんなに影響を受けるほど近くに住んでいるわけでもない。だから、狭い歩道が広くなってくれるほうがありがたいのだ。
毎朝通勤で通る道に陣取って、ただでさえ狭い歩道をさらに通りにくくして、反対だなんだと叫んでいる連中のほうが、よっぽど迷惑だ。環境ホルモンがどうの、建築基準がどうのと、屁理屈をこねてばかりいるが、結局は「うるさい」「日当たりが悪くなる」「景観が悪くなる」といったことが個人的に気に入らないだけなのだ。
まだ、正直に「私の家が日陰になってイヤなんだ！ だから金でカタをつけろ！」と言ってくれたほうが、同意する気にもなるのだが。
百歩ゆずって、通行の邪魔をしておこなう反対運動は、許すとしよう。
それでも、やはり、反対運動のしかたが、私には気に入らない。
ある場所に、張り紙がしてあった。
「○○○（団体名）と○○○（自治体長名）は、高層マンション建設に反対の意思を明らかにしなさい。」
反吐が出る。
賛成か反対か、どちらかの意思を明らかにするのは、相応の立場にいる人には求められるべきことなのだろう、とは思う。しかし、はじめから「反対の意思」と限定するのは、どういうことだろうか。
反対運動をやる連中の、その姿勢が私には我慢ならない。
運動をしている人間が全員、他人に意見を強要する傲慢な人間でないのだろうとは思うが、一緒に運動している人の言動には、注意してほしいものだ。
実は、勤務先の隣でも高層マンションの建設をおこなっている。
勤務先のビルの別フロアには、モデルルームも入っている。
休日出勤をすると、ビルの前に反対運動をやっている人たちが並んでいる。拡声器を使って、一言。
「○○○（業者名）を訴える予定です。入居者も同時に訴えるつもりでいます」
ダチョウ倶楽部じゃないんだから、訴えてやる、はないだろう。
それはただの低レベルな脅しで、反対運動でもなんでもない、と思うのだが。
そういえば、こんな話もある。
MacintoshのG5というコンピュータがあるのだが、その中身をWindowsに入れ替えた人がいるらしい。その記事を書いた人のもとに、嵐のような非難メールが届いたのだとか。
私もかつてMacintoshユーザーだったし、仕事で仕方なく使い始めたWindowsよりも、いまだにMacintoshのほうが好きだ。一時期は、熱烈なMacintosh支持者である「Mac信者」と自称していたことさえある。
でも、こういう話をきくと、Mac信者をやめてよかったと心から思う。
たかがコンピュータの中身を入れ替えただけで非難メールを送るような、そんなクズどもと私は一緒にされたくない。
私も、何か批判メールがもらえるようなことを書いてみるかな。
Macintosh→Windowsのように、熱烈な支持を受けているものの中身を、別のものに入れ替えるといいに違いない。
「ドリームキャスト」の中身が、実は「プレイステーション」になっている、とか。
「死霊の盆踊り」のラベルのついたDVDに、「タイタニック」が入っている、とか。
「クイーン」のCDを買ったつもりが、「女王様」のCDだった、とか。
「シャア・アズナブル」が仮面を脱ぐと、出てきた顔は「ドズル・ザビ」だった、とか。
あー、嫌われそう。
滝澤（2004/02/08）
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