『この気持ちをどう表現すれば伝わるのだろう』
たとえば、そこにあってはならないものなのに、存在してしまっている感じ。
自分がどう感じるとか、相手がどう感じるかとか、そういうことに関係なく、湧き上がってきてしまうもの。とくに精神的に弱っているようなときには、抑制がきかなくて、口をついて出てきてしまう言葉たち。
言葉を受け取った相手も、困惑している。言葉を放った本人も、困惑している。
そんな、感じ。
たとえば、自己と他者がどうしようもなくすれ違ってしまっている感じ。
誇りに思う部分が欠点と言われ、恥ずかしく思う部分が長所と言われ、その挙句にどちらも欠点のような気がしてきてしまう。誇りを否定されると、ひどく落ち込む。恥を誉められると、居心地が悪い。
自分の感覚さえ信用できない。私が感じている「これ」はいったいなんなんだ？
そんな、感じ。
たとえば、わけもなく胃をひっかきまわされるような感じ。
ただ、こう、胃のあたりがぎゅっと締め上げられて、その中でいつまでも消化できないものが出口をもとめて暴れている。理由なんて、どこにもない。ただ、それは間違いなくそこにあり、時を待っている。
その時は、私が解放されるときなのか、それとも私が永遠の闇に沈むときなのか。
そんな、感じ。
そして、これらの感覚がすべていっしょになって、私を押しつぶす感じ。
言葉は、なんて不便なんだろう。
私は、なんて愚かなんだろう。
滝澤（2001/05/07）
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