『踊るカルト』
近所で、右翼が騒いでいた。
同じ場所を宣伝車でぐるぐるとまわりながら、大音量で怒鳴り散らしているのだ。
「オウム、出てけ。上祐、殺せ」
おいおい、「殺せ」はヤバいだろう、と思いつつ、私は苦笑していた。
別に、過去にサリンを作ったカルト教団のメンバーだからと言って、またサリンを作るとは限らない。仮に作ったとしても、自分たちが住んでいる場所に撒くほどバカではあるまい。ということは、逆説的かもしれないが、彼らが住んでいる場所の近所が一番安全なのだとも言える。
カルト教団の信者でなくとも、ヤバい奴はゴロゴロしているではないか。
どこに行ったって、おかしな奴の一人や二人、近所にいるものだ。
くだらないことで騒ぐな、と思うのは、私だけなのだろうか。
どうせやるなら、もっと面白くしてほしいものである。
「上祐、踊れ」
とかだと、かの上祐氏が踊っている姿が想像できて、楽しい。
流行でいけば、ヒップホップなどを踊るのが筋かも知れないが、どうせならモンキー・ダンスとか、ちょっと古めのほうがイカしているのではないだろうか。
右翼の宣伝車に合わせて、軍歌で踊るのも良い。しかし、どんな踊りになるのだろうか。さすがに、軍歌で踊れるダンスは、想像がつかない。
「上祐、筋トレ」
なんてのも、面白い。
筋力トレーニングをするのだ。
マッチョになる。
どうする？ かの上祐氏が、気がついたら空手家の角田信明氏みたいなマッチョになってたら。そういえば、角田氏は某テレビ番組で、エアロビクスをやってたな。にこやかに笑いながら、己の筋肉を誇示しつつ、音楽に合わせて踊る。その映像の首から上を、上祐氏の首から上と置き換えて、想像してみよう。
これは、ウケる。
が、結局「踊る」というところに行きつくようだ。
カルトは踊る。
踊るだけなら、他人に迷惑もかけないし、いいと思うのだが。
滝澤（2001/02/04）
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