『偉い大臣さん』
少し前の話になる。
故小渕総理大臣（当時）が、脳梗塞で倒れた。そこで後任の総理大臣に選ばれたのが、森氏である。その時の会見の映像をテレビで見て、私は慄然とした。
なんだ、コイツは。
同僚が意識不明の重体になっているという事実を忘れて、自身に総理大臣職がまわってきたことに喜び、終始デレデレとした締まらない笑みを浮かべているのだ。私は故小渕氏を好きでも嫌いでもなかった。が、死にかけている人間の存在を無視して、自分の出世だけを喜んでいるような人間は、大嫌いだ。内心どんなにうれしかろうが、同僚が死にかけているときにニタニタ笑っているなど論外。
おそらく、多くの人々が、その品性も配慮も感じられない笑みを見ているはずである。政治家としての手腕は知らないが、少なくとも人間的な面では最低のレベルに属する人間であることは、明白である。
ところが、フタを開けてみたらびっくり。
毎日新聞社調べ（無作為抽出の電話調査）の内閣支持率。
なんと「森内閣を支持する」と答えた人間が40%もいた、というのだ。
40%。
5人に2人は、あの下品な笑みを見ても「支持できる」と思ったというのだろうか。
最近、森氏は次々と馬脚をあらわし、「人間的な面では最低のレベルに属する人間」と感じた私の判断が正しかったことが、証明されつつある。
とは言え、さすがに故小渕氏の葬儀のときには、森氏も神妙な顔をしていた。
どうせ「ろくでなし」のキャラクターを前面に出していくのなら、弔文を読み上げるところで「いいタイミングで死んでくれてありがとう」と言うくらいの根性があってもいいと思うのだが。
頭が悪い人間が政治家になる。
本当に頭のいい人間は、官僚になる。
政治家は頭が悪いから、目先の利益に踊らされて数合わせゲームに興じる。
今度の選挙もまた、白票を入れようかな。
滝澤（2000/06/18）
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