『カレー大戦』
今夜はカレーだ。
いつもはタマネギ・ニンジン・ブロック肉で作るのだが、その味にも最近飽きてきた。何かうまい作戦はないかと思案するうちに、挽肉を使ったペースト状の「キーマカレー」というやつに遭遇した。今回は、こいつに挑戦。
いろいろ話を聞くと、「水を使わない」というのがカギらしい。水分はヨーグルトとトマトだけで十分、とのこと。
まず、タマネギを微塵切りにして、炒める。いい色になってきたら、プレーンヨーグルトを投入。白いヨーグルトに炒められたタマネギの茶色が混ざって、なんとも怪しげな色合いになる。なんか、嫌な予感。
ヨーグルトが煮立ってきたら、トマトを入れる。ホールトマトの缶詰を１缶。初めて買ったのだが、意外に安いことが判明した。トマトが３〜４個分入って、２００円でお釣がくる。またの機会に使えそうなので、しっかり記憶にとどめておく。
さて、かたまりになっているトマトを箸で砕いていると、タマネギ・ヨーグルト・トマトの混合物がブクブク沸騰しながら、そのグロテスクさを増していく。なんだか、錬金術師か魔法使いにでもなったような気分だ。
ぼこっ…ぼこっ…。ひっひっひ、これにヘビの肝を加えれば完成じゃ……。
おっと。
気を取り直して、ブタ挽肉とスパイスを入れる。スパイスは、トマトと相性のいいオレガノ、辛みを出すチリペッパー、カレーでは定番のガラムマサラ、ナツメグを中心に、ショウガ、ニンニク、その他もろもろ、手元にある種類はすべて入れてみた。
あとはフタをして待つだけ。
ヨーグルトとトマトから意外に水分が出たので、それが程よいところまで蒸発したら、カレールウを入れる。自分でルウから作るのは手間がかかりすぎるので、お気に入りの市販モノ「Ｓ＆Ｂディナーカレー」。高いけど、味はいい。
さあ、完成だ。ペースト状のカレーができた。ちょと味見。
……すっぱい…。
まずくはないのだが、トマトがききすぎたみたいだ。まあいい。さあて、食べようか……という段階になってから、重大なミスに気付く。
あああぁぁぁぁ！ ご飯炊いてなかったー！！
滝澤（1997/11/24）
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