『大阪訪問記』
仕事で大阪に行った。北海道、新潟、東京といった場所で暮らしてきた私にとって、「西」は異世界だった。修学旅行で京都に行ったくらいで、それより西には行ったことがなかったのである。むろん、大阪もはじめて。
大阪に着いてすぐに仕事を開始。夜の９時半過ぎに仕事が終わり、同行者と一緒にどこかで食事をしようということになった。
同行者「梅田に行きましょう」
私「それ、どこ？ ＪＲの路線図に『梅田』なんてないけど」
ＪＲの大阪駅＝梅田という事実を初めて知らされる私。とりあえず移動して、食事の前に宿さがしをすることにした。
曽根崎警察署なるものを発見。「心中」で有名な曽根崎だろうかと考えつつ、そこでビジネスホテルを紹介してもらう。で、ホテルに空室があるかどうかを電話で確認してみる。
私「あのー、２人なんですけど、これから行って泊まれますか？」
ホテルの人「シングル１部屋でよろしいですか？」
私「おいおい」
結局、ツインを１部屋キープ。ラブホテルじゃないことを祈りつつ、色町を抜けてホテルへ。場所のわりに、意外にまともなビジネスホテルだった。
部屋に荷物を置いて、食事に繰り出す。近くの焼き肉屋で一杯。店の人の話す言葉が理解できず、とても困った。食事のあとコンビニで買い物をして、ホテルに戻る。おやすみなさい。
翌日、大阪の電気街「日本橋」を訪問することにした。東京の秋葉原と、あまり変わったところなし。空腹になったので、お好み焼きでも食べようということになる。さっそく「お好み焼き」の看板を発見したが、そこは看板屋だった。らちが明きそうにないので、その看板屋でおいしいお好み焼き屋の情報をゲットすることに。
店の人「どこから来たの？」
同行者「東京です」
店の人「わざわざ東京からお好み焼き食べに来たの」
私「そんな訳ねーだろ！」
看板屋で教えてもらった道を歩く。有名で、けっこう混む店らしい。と、右前方に大混雑を発見。
私「まさかお好み焼き屋であんなに混雑が！」
同行者「あれ、有名な吉本興業の『なんばグランド花月』です」
私「ああ、『新宿コマ劇場』みたいなもんね」
同行者「ちょっと違うなあ…」
結局、教えてもらった場所には、教えてもらったものとは違う名前のお好み焼き屋があり、あきらめてそこに入る。それほど目新しさのない、高いお好み焼きを食べて、予定終了。帰りの新幹線に乗るために、新大阪駅に向かうことに。新大阪駅は、なんば駅から地下鉄で一本。と、なんば駅に向かう途中で…
私「あ、この狭い通り、『法善寺横丁』だ」
同行者「歌かなんかでありましたっけ？」
私「霧の法善寺横丁？」
同行者「それは摩周湖です」
私「法善寺横丁で会いましょう？」
同行者「それは有楽町」
私「うーん……あ、わかった。数え歌だ」
同行者「どんな？」
私「よっつ法善寺横丁にハゲがある」
同行者「いいかげんにしなさい」
ちゃんちゃん。
素朴な感想。今度は仕事抜きで行きたいなあ。
滝澤（1997/04/27）
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