『巨匠』

［特別企画・村山浩明監督インタビュー］
　あなたは「擬装爆弾」を知っているだろうか？　およそ10年前にまったくのアマチュアの少年によって製作されたこの映画が、流行にビンカンな若者達の間で話題を呼んでいる。もともとはごくごく小さなスペースで自主的に公開されていたものが、口コミで評判になり、ついに新宿武蔵野館にて近日公開のはこびとなった。今回は取材嫌いの監督とのインタビューに成功。「擬装爆弾」の人気の秘密に迫った。

　タケオ(中村)は奇妙なブラスアンサンブルによって目覚める。それは学校の変わり者、ひろし(石川)のしわざだった。二人は連れだって釣りに出かけるのだが……
　荒けずりながらも、おどろくべき可能性を秘めたまさに新世代の青春映画である。全てが新鮮で、村山の清々しい感性が全編にあふれている。特筆すべきは、「釣り」をテーマにもってきたり、サウンドトラックにローファイ感覚のヒップホップを使うなどといった、時代を先どりした実験性だろう。これが作られたのは10年前なのである。


【擬装爆弾】(1987年製作)
監督：村山浩明
脚本：村山浩明
　　　長谷川まさゆき
出演：中村たけし
　　　石川秀行
音楽：柴野剛
(1時間30分)