『迷惑』
よく、迷惑をかけてごめん、という言い方を耳にする。
しかし、誰もが誰かに迷惑をかけながらでなければ生きてはいけない。そんな状態なのだから、誰かに迷惑をかけたと思うたびに謝罪をしていたのでは、キリがなくなる。迷惑をかけることに怯えて、勝手に「迷惑をかけたつもり」になって、一方的に謝ってくる人も登場する始末。
いや、別に謝る必要がない、と言うつもりはない。
迷惑をかけたときには、反省して、迷惑をかけた相手への詫びを言う必要があるのは間違いない。
が、過剰に反応してもいけないと思うのだ。
迷惑をかけなければ生きていけない人間である以上、他人への迷惑は必要悪なのだから。
自分にできることは、ひとつだけ。
他人が自分に迷惑をかけたときに、鷹揚に受け流すこと。
それで私が迷惑をかけた場合に大目に見てもらえることを期待するわけではないけれど、どうしても迷惑をかけてしまう人間の悲しい性は理解できる。意図的に迷惑をかけるような人間が相手でなければ、さほど目くじらをたてる理由もない。
と、まあ、なんだかんだと言ったところで、私が他人に迷惑をかけ通しだという事実は変わらない。いつも、他人におんぶに抱っこで生活している。
おんぶしてもらったり、抱っこしてもらったりしていることには感謝しているが、金も力もない私には、感謝以上の何かができるわけでもない。
まあ、世話をしてくれている人たちには申し訳ないが、やはり、おんぶや抱っこを必要としている別の人たちに、提供するくらいが関の山だ。
許せ、助けてくれた人たち。
待ってろよ、助けを必要としている人たち。
ツキのない奴は私のところに来い。私もないけど心配するな。そのうちなんとかなるだろうさ。
滝澤（2005/02/06）
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