『ニガウリくん』
スーパーで、ニガウリを売っていた。ビタミンが豊富、とかいう宣伝文句がついていた。そういえば、以前、居酒屋で「ニガウリと豚肉の味噌炒め」というのを食べたことがある。うまかった。うまくて栄養があると言われたら、これはやるしかあるまい。
まず、適当に半分に切ってみる。真ん中に種が入っていて、そのまわりにワタのようなものがある。それをスプーンで削ぎ落とし、薄切りに。半ドーナツ型の薄切りが大量にできた。深い意味はない。ただ、居酒屋で食べた時、そういう形体だったのだ。
豚の小間切れを炒める。色が変わったところで、ニガウリ投入。次いで味噌を投入。ダシ汁がないので、水を加えて味噌をとく。それから麺つゆの存在を思い出し、少し入れてみる。他にも何か味付けに使えるものはないかと冷蔵庫をあさり、チューブ入りのおろし生姜を発見。これも投入。
味見してみる。
うげげ。
とても苦い。食えたものではない。仕方ないので、塩味を濃くしてごまかしてみようと考える。再度、味噌を投入。勢いにまかせて生姜もドバッと入れる。そして、もう一度味見。
おえっ…。
麺つゆをダバダバ入れる。もはや、炒め物とは言えない様相を呈してくる。訳がわからなくなったので、ついでに残っていた卵を2個ぶちこんでみる。そして、3度目の味見。
うう……まあ、これで許そう…。
かくして、とても塩からい「ニガウリと豚肉の味噌炒め」が完成した。
きっと、私は動脈硬化で死ぬに違いない。
いつか、再挑戦してやるぅー。待ってろよ、ニガウリ！
滝澤（1997/09/21）
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