朝起きて、会社に行く
混雑した電車の中で、無神経に荷物をふりまわす人間に腹をたてる
交差点の信号まちで、タバコの煙と灰をまきちらす人間に腹をたてる
歩道を歩きながら、携帯電話をいじりながらのろのろ歩く人間に腹をたてる
これが、楽しいか？
会社で、仕事をする
同僚たちの顔色をうかがいながら、同僚たちの望んでいることをする
同僚に仕事の邪魔をされても、イヤな顔ひとつ見せない
頭が良く、気がきき、やさしく穏やかな人間だと思われている
これが、楽しいか？
私には実体がない
周囲の環境に対して、決まりきった反応をしているだけ
これが、楽しいか？
やさしい人と言われる
でも、私はやさしいんじゃない
臆病なだけ
こんなこと、楽しいわけがない
私はカメレオン
私の本当の色は、どこですか？
弱い私を許してください
愚かな私を許してください
私は誰も傷つけたくありません
私は誰も苦しめたくありません
信用したくて、信用されたくて、本音を素直に語りたい
相手のことを好きであればあるほど、私は素直になりたい
なのになぜ、私が本心を語ると、みんな傷つくのでしょう
相手のことを好きであればあるほど、私は相手を傷つける
私はハリネズミ
近づく者は、誰でも傷つけてしまう
こんな私を許してください
欠陥だらけの私を許してください
私は誰も傷つけたくありません
私は誰も苦しめたくありません
夜、私は部屋にひとり
焦燥と苛立ちが私の身を焼いている
私は臆病なウシ
燃え上がる炎におびえて、焼け死ぬまでそこに立ち尽くすだけ
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